先輩、私だけに赤く染まって

だから、つい聞いてしまった。


私が気軽に話せる男友達って、村田くんくらいしかいないから仕方ない。


それに恋愛の先輩だし!


私の気持ちを知っている村田くんは、早瀬先輩とのことだとすぐに分かってしまうだろうけどこの際いいだろう。


「俺、部活にも入ってないし後輩と関わりがないから年下と付き合ったことはないけど、」


前置きをつけてから話し始める。


「歳の差なんて関係ないと思う。相手が誰だろうと好きになるときはなるもんだ」


…良いこと言うじゃないか。


「杉野だって、年上だから好きになったわけじゃないだろ」


それに私は激しく頷く。


ギャップが一つのきっかけではあったけど、きっとどんな関係であっても恋に落ちていた。


「なんでそんなこと気にしてるか分かんないけど、壁を吹っ飛ばすくらい好きにさせろよ」


< 167 / 317 >

この作品をシェア

pagetop