先輩、私だけに赤く染まって

「好きになるときは、なる…」


めちゃくちゃ良い言葉を貰うことが出来た。


そうだよ。まだ何も伝えられていないのに何をウジウジしていたんだろう。


妹みたいな存在だからなんだ。血は繋がっていないんだから恋愛を禁止されている訳じゃない。


「本当に惹かれあっていたら、止められないんだ誰にも。杉野と先輩はきっと大丈夫だよ」


最後には励ましの言葉までくれて。


村田くんに聞いてもらって本当に良かったな。


これでまだ頑張ることが出来そうだ。


「俺はダメだったけどなー」


息を吐くようにそう言って、カウンターに突っ伏した。


例の彼女のことか。


彼女に別れを告げられたことまでは聞いていた。


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