先輩、私だけに赤く染まって
「別に…。それより和樹、部活は?」
スポーツ推薦で入学した和樹は、高校でも活躍しているようだった。
親経由で嫌でも耳に入ってくる。
「こんな時間だぞ?もう終わったよ」
「あ、そっか」
自分も委員会があったのすっかり忘れてた。
そういえば空ももう暗い。
「相変わらず抜けてんな」
そう言って昔みたいに笑った。
中学時代は二人で笑い合いながら帰っていたことを思い出して、懐かしく感じた。
「あのさ穂乃果、」
「あら?もしかして和樹くん?」
私の後ろからお母さんの声がした。
久しぶりに和樹に会って凄くキャッキャしてる。
「大きくなったわねー。最近遊びに来てくれないから寂しかったのよ?でも良かった、二人共仲良さそうで」