先輩、私だけに赤く染まって

今日は特に話している時間が長かったから気付けば六時になっていたし。


今では図書委員になって良かったとさえ思っている。


「早瀬先輩もいるし?」


…言うと思ったよ。


もはや否定なんてしないけど。


昨日抱き締められた感触をまだ覚えている。


触れた場所からジンワリと熱が伝わって、あんなにドキドキした瞬間を私は知らなかった。


「ここでいい?」


涼子が指差したのは学生客も多いファストフード店。


それに頷き、私たちは窓際の席に座った。


この店なら多少話が盛り上がっても大丈夫だろう。


「ここ最近無性にポテトフライが食べたかったんだよね」


そう言う涼子が持つトレイの上にはLサイズのポテトフライ。


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