先輩、私だけに赤く染まって
涼子は部活をしてきたからLでも許されるけど私はダメだ。
だからMサイズで我慢する。
それにしてもこのポテトフライの背徳感よ。堪らない。
「どう?次の大会。勝ち進めそう?」
「タイムは結構良いの出てるから決勝までは多分」
それなのに涼子は浮かない表情でひたすらポテトフライを口に運んでいた。
その手を急に止めると、重いため息を吐く。
「先輩たちとインハイ行きたいなぁ」
やっぱり、相当なプレッシャーがあるんだ。
二年生にして陸上短距離のエースと言われ、期待を一身に背負ってきた。
それがどれだけ大変なことか私なんかでは分かりきれない。
うちの高校は決してスポーツ強豪校ではない。