先輩、私だけに赤く染まって

それでも涼子が入ってきた陸上部はインハイを狙えると、先生たちが浮き足立っていると聞いたことがある。


「大丈夫。涼子なら絶対行ける!毎日練習頑張ってるの知ってるよ」


涼子は誰よりも努力家なんだ。努力でここまでの功績を掴んできた。


何と言えば涼子を元気付けられるか分からない。自分の語彙力の無さに絶望する。


だけど、応援の力は偉大だと私は知っているから。


涼子の努力の分だけ私は全力で応援する。


「ふ、ありがとう穂乃果。絶対インハイ行ってやるー!」


私の気持ちが伝わったのか、いつもの笑顔に戻った涼子は力強くそう言った。


その後は手も口も止まることなく、長い間だべっていた。

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