先輩、私だけに赤く染まって
まあ、私もあれが早瀬先輩だったらこうなってるだろうけど。
ん、早瀬先輩…?
「分かった。私が早瀬先輩に聞いてみるよ」
大親友とまではいかないけど、それなりに仲は良いだろう。
涼子の様子を見かねて私がそう申し出ると、パッと顔を晴れやかにした。
「本当!?ありがとう」
なんか、想定内だった…?
私がそう言うことを待っていたような。
さっきまでの暗い様子が演技だったんじゃないかと思うくらい、いつも通りに戻った。
また上手いようにハメられたな、これ。
涼子はご機嫌な顔で改札を通って行った。
でも私は私で早瀬先輩に会える口実が出来たから、悪い気はしない。