先輩、私だけに赤く染まって
それに驚きつつも、私の顔は意識せずとも口角が上がる。
嬉しい以外の何物でもない。
「はい!」
あ、ヤバ。大きい声出しちゃった。
反射的に手で口を押さえる。
「じゃ、またメールするから」
それに笑いながら、先輩はまた仕事に戻った。
大きい声を出してしまったことに誰ともなく小声で謝りながら、図書室を逃げるように出る。
今の私はスキップしたいくらい浮かれていた。
夢にまで見た先輩とのお出かけ。
ただ一緒に帰るだけじゃない。
男女が二人で何処かへ行くなんて、デートじゃん。
デートって思っていいよね?
家に着いてからも先輩に貰ったミルクティー相手に緩んだ笑顔を溢していた。