先輩、私だけに赤く染まって

画面に早瀬先輩の文字が見えて、私はようやく握り締めていたミルクティーを離した。


「さっきの、来週の月曜日でいい?」


こうやって文面にされると、いよいよ現実味を帯びてくる。


「大丈夫です!」


「杉野さん、行きたいところあるんだよね?」


会話の流れで言った店の話、覚えててくれたんだ。


先輩とのトーク画面が増えていくのに比例して、私の心も満たされる。


「もしかして一緒にそこ行ってくれるんですか!?」


「勿論。授業終わったら教室に迎えに行くね」


それに了解のメールをして、トーク画面を閉じた。


つい一時間前に会ったというのに、今すぐに会いたい気持ちに駆られる。


今日が金曜日なのが恨めしい。


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