先輩、私だけに赤く染まって
クリーム色の憂鬱
朝からこんな調子で、いざ放課後になったら心臓を吐き出してしまうんじゃないかと思ったけど、
むしろ教室まで来てくれた先輩の顔を見たら、いつの間にか緊張は解れていた。
校門を出て左に、駅の方に向かう。
「何のお店に行くの?」
「マカロンの中に、たっぷりクリームが入ってるヤツです!それが凄く可愛いんですよ!」
今の私は自分でも分かるくらい機嫌が良かった。
先輩の隣にいると感情を抑えられない。
他の人になら出来るポーカーフェイスも、その裏から溢れる感情が漏れ出す。
逆に言えば他の人には溢れ出すほどの感情を持ったことがないということか。
隣を歩く先輩をチラ見すると、いつものようにニコニコと笑っていた。
良かった、嫌ではなさそう。