先輩、私だけに赤く染まって

机に突っ伏して上目遣いでこちらを見る涼子はやっぱり美人だ。


可愛いより、美人。


健康的に焼けた肌もヘルシービューティーで良いと思うんだけどな。


本人は気にして部活前には日焼け止めをせっせと塗っている。


「稲原先輩とは関わりないもん」


「じゃあ昨日来たっていう先輩はどうだったのよ」


涼子が何気なく言ったそれに、心臓がまた音を立てる。


あー、もうなんで昨日からこんなに気にしてるんだ。


暇があってはあのやり取りを思い出して嬉しくなってるんだから、意味が分からない。


だって可愛すぎた。あんなに顔に出るなんて、もっと言いたくなっちゃう。


私、男の人に可愛いなんて思ったことないのに。それも年上の人に。


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