先輩、私だけに赤く染まって

先に苺の方を一口かじると、マカロンの独特な食感と苺の甘酸っぱさが感じられる。


見た目だけじゃなくて味もとても美味しい。


物珍しそうに眺めていた先輩も、一口口に入れると美味しいねと笑っていた。


今日は私、先輩に聞くと決めていたことがあったんだ。


「先輩の好きな女の子のタイプってどんなのですか?」


好きを自覚してから聞きたくて堪らなかったこの手の話。


「えー、そんなの考えたことなかったなぁ」


「好きになった人がタイプ、ってことですか」


「そうかもね」


困った。全く参考にならない。


まさか元カノの話なんて聞くわけにもいかないし。


先輩はドリンクを一口飲んだ。


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