先輩、私だけに赤く染まって
『誰とも付き合う気はない』
もしかしてあれは、一線を引かれたのだろうか。
キミと先に進むつもりはないよと、遠回しにそう言ったのだろうか。
赤い夕日が私の影を濃く染めた。
それと同時に私の心にも影が差すようだった。
酷い人だ。今まで過ごした時間も、先輩にとっては何でもなかった。
私だけが、こんなにも好きになってしまった。
惚れさせておいて、さり気なく距離を取るなんて、あんまりだ。
冷たくあしらわれた方がずっと良かった。
どうして何度も一緒に帰ってくれたの。和樹のことでは優しく支えてくれた。
今日だって…、どんな気持ちで私の隣にいたの?