先輩、私だけに赤く染まって
内側

ループ


◇◇

朝、酷く頭が痛んで目が覚めた。


まだ夜は明け切っていなかった。


家に着いてからの記憶はほとんど無い。


帰ってきて自室に閉じこもって、ベッドで泣いているうちに寝てしまったようだ。


おかげでコンディションは最悪。


こんなに腫れた目は見たことがない。喉もカラカラに乾いていて掠れた声しか出なかった。


制服を脱いでいたことだけが救いだ。


熱いシャワーでも浴びて頭をスッキリさせよう。


まだ誰も起きていない薄暗い家の中は少し不気味だった。


自分の気分が良くないのが、そう見えるのを増長させていたのかもしれない。


蛇口をひねって頭から水を被る。


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