先輩、私だけに赤く染まって

「なーにニヤけてんのよ」


隣からの声にハッとして現実に戻る。


涼子は目を薄めて訝しげに見ていた。


「いや、ニヤけてる訳じゃ…」


つい顔が、緩くなるだけ。そう。


「なんかあったんでしょ、聞かせて」


突っ伏していた上半身も起こして、もう聞く体制に入っている。


調子良いんだから。


仕方なく私は昨日図書室であったことを話した。


聞いてる間に涼子が時々ニヤけているのを私は見逃さなかった。


これを言うと倍返しされるから、言わないけど。


「はー、私は嬉しい!」


第一声、それ?あなたはどの立場の人ですか。


「大体、穂乃果が一年もフリーだったのがおかしい」


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