先輩、私だけに赤く染まって
叫び
◇◇
「杉野、今ちょっと話せる?」
お昼ご飯を食べ終わって、涼子と話していた昼休み。
珍しく教室で村田くんが話しかけてきた。
今日は図書当番の日なのに。急用なのかな?
涼子に断りを入れてから、村田くんの後について教室を出る。
「どうしたの?」
廊下の端に寄ったりして、聞かれたくない話でもするつもりだろうか。
例の彼女の相談とか?私にするはずないか。
「俺が口出しすることじゃないかもしれないけど…、先輩とはあれからどうなった?」
なるほど。その話か。
やっぱり先週の当番の日、様子がおかしいこと気付かれていたんだ。
村田くんには前にも相談に乗ってもらったから話すのに抵抗があるわけじゃないけど、何から話していいか分からない。