先輩、私だけに赤く染まって

「え、なに」


「穂乃果は可愛いんだから自信持って!きっと先輩も穂乃果だから照れたんだよ」


…この人多分走り過ぎて頭おかしくなってる。


「連絡先、聞いたんだよね?」


当然のような口調で言ってくる。


「聞いてないよ。昨日初めて話したのに」


ていうか無理だった。そんな余裕なかった。


帰る頃には心臓バクバクだったもん。


「なんで!やっと穂乃果が気になる人出来たんだから、頑張らないと」


その行動力、少しは自分の為に使ってみたらどうですか、って言いたい。


稲原先輩にも涼子ならそんな調子でいけるでしょうに。


それでも乗り切らない私に、涼子は真剣な顔をして言った。


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