先輩、私だけに赤く染まって
思惑
回収
◇◇
先輩が私のもとからいなくなったときこそ泣いてしまったけど、この間のようにボロボロに泣き崩れはしなかった。
むしろ余計に燃えていた。
先輩は馬鹿だ。私を突き放したかったのなら、好きだと言うべきじゃなかった。
好きだと言われて、両想いだと分かって、それなのに素直に諦める人はいないだろう。
私はあれから毎晩先輩にメールを送っていた。
何でもない日常会話や、好きですって送ってみたり、諦めませんからねって脅しまがいのことまで毎日懲りずに。
先輩から返事が来ることはなかったけど、律儀に毎回既読が付いた。
いつかブロックされるんじゃないかと思っていたけど、未だにその様子はない。
私との繋がりを絶っていない時点で、先輩は無情になりきれていないんだ。