先輩、私だけに赤く染まって
本当なら直接会いに行きたいところだけどもうすぐテストが始まる。
受験生の先輩の邪魔は出来ない。
それに私も恋愛にうつつを抜かしていたツケが回ってきて、相当に焦っていた。
とりあえず押してダメなら引いてみなってところだ。
私がずっと先輩のことを考えているように、先輩も私のことをグルグル考え続けて、苦しめばいい。
それでもっと私のことを求めて、やっぱり君がいないとダメだって、言ってよ先輩。
「なんか最近楽しそうだね」
放課後、教室に残って一緒に勉強していた涼子が話しかける。
「え、そう?勉強漬けで全然楽しくないよ」
うっかり偏差値が高い学校に入ってしまったもんだから、一年生の頃からテスト前は毎回苦しんでいる。