先輩、私だけに赤く染まって
だけどテスト期間に言うのは間違いだったかもしれないな。
私としては隠してたことがなくなってすっきりした気持ちだけど。
「ちょっと待って頭が追いつかない…」
私だって先輩の言ったことを納得はしていない。
好きって言っておいて付き合えないって何?って今でも思う。
だけど先輩がそう拒むなら私はその壁を打ち破るのみだ。
苦しませてごめんね、先輩。だけど好きだと分かっているのに諦めるなんて今の私には出来ないよ。
「でも穂乃果が決めたことなら、うん。応援する!」
シャーペンを手にしたまま手を掲げた涼子は、私を真っ直ぐ見て笑った。
「まず今は、テストを乗り越えないと」
せっかくの夏休み、補講なんて入ったら最悪だ。
私と涼子は再び手を動かしはじめた。