先輩、私だけに赤く染まって
私の顔を見て考えていることが分かったのか、優しく言う。
確かに。それなら気が楽かも。
そのタイミングで先生が入って来て強制的に会話は終了した。
前を向いて先生の話を聞き流しながら、一人別のことを考える。
次先輩に会えるのはいつだろう。
私の当番は来週までないし、そのときに先輩が確実に来るかなんて分からない。
だけど三年生の教室になんて行けない。
…あ、そっか。
良い案を思い付いて私は一枚のプリントを机の中から引っ張り出した。
部活に入ってなくて良かったって、珍しくそう思った。