先輩、私だけに赤く染まって

一時期隠していたあのミルクティーは、再び見えるところに置いていた。


思い出すのは熱い視線。私を求めていた、あの眼差し。


耳に焼き付いて離れない、好きだと言った掠れた声。


ときどき夢だったんじゃないかと思うくらい、今の私たちは遠い。


だけど忘れられない記憶が、私の恋情を熱くさせる。


先輩とのトーク画面は右側に偏っているけど、既読が付いてくれれば今はまだそれで満足できる。


私にはミルクティーがある、先輩と食べに行ったマカロンの写真も。


だから今日もまた先輩に好きだと、手を動かすことが出来る。



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