先輩、私だけに赤く染まって

「…ほんと勘弁して」


照れを隠すように私から顔を逸らした先輩に、愛しく想う気持ちが止まらない。


こんなに愛しい存在を、どうやったら手放すことが出来るだろうか。


私には到底無理だ。


「ね?私も先輩に負けないくらいおかしいでしょ?」


先輩が私をおかしくさせたんだから、いっそのこと狂うほど私を愛してほしい。


それでも私は絶対に先輩から離れられないと分かる。


「杉野さんの気持ちは分かった、けど、…」


まだ煮え切らないように決心がつかないようだ。


本当に分かってるのかな。先輩は向ける愛が大きすぎて、向けられ慣れてないんじゃないか。


「ていうか私に誰とも付き合ってほしくないなら、先輩が付き合ってくれればいいじゃないですか」


< 259 / 317 >

この作品をシェア

pagetop