先輩、私だけに赤く染まって

ようやく図書館に着いた頃には、汗が滴り落ちていた。


施設の中は冷房が効いていて熱い身体には気持ち良い。


身体が落ち着くまで座って休もう。


そう思って一階の自由スペースに座る。


その正面には掲示板があって、私の目は一つのポスターに気付いた。


来週に隣町である大きな夏祭り。その日は花火も打ち上げられて、多くの人が集まる。


そっか、もうそんな季節か。


去年は行かなかった。一昨年は、付き合い始めたばかりの和樹と行った。


今年は…、早瀬先輩と行けるんだろうか。


一週間経っても先輩から何も連絡はなかった。


フリーな頭になってもらいたかったから、私から連絡をするのもやめた。

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