先輩、私だけに赤く染まって

不安になるのにはまだ早い。先輩を信じていないわけじゃない。


だけどそれよりも、私が先輩に会いたい。


夏祭りくらい誘ってもいいのかな。


気持ちの決着がつくまで先輩は、私に会ってくれなさそうではあるけど。


そのポスターを写真に撮って、一旦保留にすることにした。


十分に身体が冷えた私は本が借りられる二階に上がる。


意外と人が沢山いる。私は小説コーナーに向かった。


なんとなく見たことがある作家の本を数冊手に取る。


本を借りる手続きをしてから、私はここで少し読んでいくことにした。


すぐに帰ったらお母さんにまた嫌な目で見られるかもしれないし。


空いている席を探しに歩いていると、私は偶然にも彼の姿を見つけた。

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