先輩、私だけに赤く染まって
女の子に慣れてなさそうな顔して、意外と言われ慣れてるの?
目の前の先輩はただニコニコと笑っている。
赤くなるどころか、本当にいつも通り。
「先輩にお願いがあって」
本題を切り出すと、不思議そうな顔をした。
当たり前だ。昨日知り合った後輩が何だって話だ。
でもここまで来たらもう後には引けない。
「早瀬先輩のお友達になりたいです…」
俯きたいくらいに恥ずかしいけど、視線は逸らさない。
先輩の一挙一動を見逃したくない。
目をパチパチとさせて、凄く驚いているようだった。
沈黙が痛い。
何を考えてるの…?先輩。
「いや、ごめん…」