先輩、私だけに赤く染まって

村田くんは斜め上の方向に釘付けになっていた。


ああ、手遅れだったか。私は恐る恐る上を見上げた。


一番避けたかったのに、無情にも金髪と村田くんの目はバッチリと合っていた。


そういえば新しい彼氏は村田くんのことを知っているんだろうか。やけに怖い目で睨んでいるのだけど。


「よー、村田。久しぶりだな」


先に声をかけたのは金髪だった。久しぶりなんて再会を喜んでいる風じゃない、完全にガンつけている。


二人が知り合いだったなんて知らなかった私はどういうことか分からなくて二人の顔を交互に見る。


客観的に見れば完全に不良とそれに不幸にも絡まれた真面目君の図だ。


「そっちの女、彼女?」

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