先輩、私だけに赤く染まって
「せっかくのチャンスをドブに捨てるな!」
涼子の言うことは正論。
自分から聞きに行ったのにメールを送るのは出来ないなんて意味分かんないよね。
でもやっぱりちょっと、怖い。
「大丈夫、先輩は違うよ。それは穂乃果が一番分かってるんじゃないの?」
涼子の優しい声が私を安心させる。
涼子はキツいことを言っても、最後には必ず私を救ってくれる。私の為に言っているんだ。
だから彼女の友達はやめられない。
「うん…、ありがと涼子。頑張ってみる」
…だけど今すぐは無理!
もうちょっと、勇気が出てから。
私のそんな考えなんて知らずに、涼子は満足げに明るく笑った。