先輩、私だけに赤く染まって

その大声に我に返った私たちはすぐに離れた。


私たちの間にはとことん邪魔が入る運命にあるようだ。


だけど、誤魔化すように真面目に花火を見る先輩の右手が私の左手をキュッと握っていてくれるから、それも私たちらしくて良いかと思えた。


最後の花火が打ち上がるまでその手は握られたままだった。


もう何も怖くない。次に会うのはいつなんだろうと、不安で眠れない夜ともおさらばだ。


久しぶりの先輩との帰り道は、違う世界のように輝いていた。





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