先輩、私だけに赤く染まって

家に帰ってからも先輩の名前が書かれた画面を開いては消し、開いては消し。


メールの一つも送れないなんて、自分が情けない。


そうやってベッドに寝っ転がりながら、両手で携帯を弄っていたけどなんだか虚しくなってろくに画面も見ずにポイッと置いた。


制服のままだったことに気付き、部屋着に着替える。


出された課題も今のうちにやっちゃおうと、気合を入れて髪を結び、精を出して一時間は勉強した。


今日はよく勉強したな。


そのうち夜ご飯が出来たと呼ばれ、その流れでリビングでテレビを見て。


自室に戻る頃には二一時過ぎ。


気付けば三時間近く携帯を触っていなかった。


< 31 / 317 >

この作品をシェア

pagetop