先輩、私だけに赤く染まって
「公園寄って行きませんか?」
小学生まではよく遊んでた公園。
久しぶりに訪れたそこは、記憶の中と何も変わっていなかった。
色褪せたベンチに並んで座る。
「先輩がメガネ外したとこ、もう一回見たいです」
正確にはその奥の素顔が見たい。
「やだよ、君変なこと言うし」
「やっぱり初対面であれは引きましたよね…」
しょげた様に言えば先輩は思った通りおろたえた。
「いや、引いたっていうか…」
「照れてましたもんね」
「なっ」
「顔赤くしてたの、手の隙間から見えてましたよ」
目を見開いて、信じられないモノを見るかのようにこちらを覗いた。
先輩って結構思ってることが顔に出る。