先輩、私だけに赤く染まって
「一体どんな進展があったのよ」
「どんなって…、電話したら先輩が迎えに来てくれて、一緒に帰っただけだよ」
つい昨日のことなのに、そうじゃないみたいな不思議な感覚だった。
こんな簡単な説明じゃ涼子は納得しないのが分かっていたけど、それしか言わなかった。
だって、これ以上のことなんて言える自信がなかった。
私だって昨日どういう流れでああなったのか、よく分かっていなかったのに。
「すごいじゃん!穂乃果が幸せそうで、私は嬉しいよ」
そんな大袈裟な…。
泣き真似までして、それを訴えてくる。
一体この子の目には私がどれだけ可哀想に映っていたんだか。
そりゃ、恋愛の方はカラカラに干からびてたけどさ。