先輩、私だけに赤く染まって
真っ直ぐな想いに絆されて、ずっと一番近くにいた人がそう言っているんだから、きっと正しいことなんだって、信じて。
せめて私たちが幼馴染じゃなければ良かった。
それならいくらでも最低な言葉を投げかけられるのに。
親同士が仲良いって、こんなとき厄介でしかない。
私の傷が癒えるのに時間がかかったのは多分それもある。
だって和樹の話をしてほしくないときに、毎日のようにお母さんが話してくる。
もちろん私たちが上手くいかなかったのは親の所為なんかじゃないけど、
どこまでも和樹の影が付いてくるようで、しんどかった。