先輩、私だけに赤く染まって

それなのにわざわざ友達を待たせて、私と話してくれるなんて。


ちょっとは心許されてるのかな。


「なんだかご機嫌だね」


先輩にそう言われて初めて気付く。


表情筋緩みっぱなしだ。


好きって認めてから初めて会うときはどうなるかと思っていたけど、逃げ隠れしたくなるようなことはない。


「先輩に会えたから嬉しいんです!」


それよりも、ちょっとでも先輩と話していたい。その気持ちの方が大きい。


もちろん心臓はバクバクだけど。


またこんな直球に言ったら顔赤くして怒るかなと思ったけど、


先輩の顔は私の想像とは真逆だった。


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