先輩、私だけに赤く染まって

「良かった元気そうで。昨日何かあったんじゃないかと思ったから」


ホッとしたような、優しい顔して微笑んでいる。


やっぱり昨日の電話、おかしいって感じさせてしまったんだ。


だけどそれを心配してくれてた。


それだけで私の心は晴れやかになる。


「何にもないですよ。先輩と一緒に帰れなくて寂しかっただけです」


はやく和樹のことを解決して、先輩に気持ちを伝えたい。


はやる気持ちを抑えるのが大変だ。


「ちょ…、こんな人がいるところで何てこと言うの」


先輩が小声になったって意味ないのに、周囲を気にして言う。


焦ってる先輩が可愛い。


普通にこんなこと考えちゃうんだから、私も相当先輩にゾッコンだな。

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