先輩、私だけに赤く染まって

「二人きりだったら良いんですか?」


「そういうことを言ってるんじゃなくて」


先輩って話してるとき眉毛がよく動く。


だから感情が見えやすいのかな。


「またあの公園行きますか?それとも図書室?」


「…っ、本当に君は俺をおちょくるのが好きだよね」


先輩はこの間の出来事を思い出したのか、顔がボンッと赤くなった。


ほんとに、そういう初々しい反応しないでほしい。


私の方がキュンキュンしすぎて、心臓が痛くなる。


赤い顔を隠すように私から顔を逸らして壁に向かう。


そんなの私からしたら逆効果でしかないのに。もっとその顔が見たくなってしまう。


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