先輩、私だけに赤く染まって
忘れられない
庇う背中
◇◇
数日が何事もなく過ぎた。
今日は二回目の委員会集会で、先輩に会えるから朝からワクワクしていた。
涼子にはお見通しでからかわれもしたけど、そんなこと気にならないくらい私は機嫌が良かった。
この二ヶ月弱で、村田くんとも大分仲良くなった。
初めのよそよそしさが遠い昔のように感じる。
図書室で隣に座る村田くんは、至って普通に見えた。
彼女とのことが解決したのか、あるいは作り笑いがとっても上手になったのか。
聞いて良いものだろうか…。
きっと無遠慮過ぎるよね。でも、気になる。
「…見すぎ」
チラッとこちらを見た村田くんが苦笑いをしながら言う。