先輩、私だけに赤く染まって
委員会自体は委員長と先生が少し話しただけであっという間に終わった。
今日は図書当番がないのですぐに帰れるんだけど。
残念だけど先輩とは話せないかな…。
まだ前に立って委員長の稲原先輩と話している。
帰る準備をしているフリをしながら、先輩の横顔を盗み見る。
どんどん図書室から人は減って、流石に帰らないと怪しまれそうだなと立ちかけたとき。
早瀬先輩が視線に気付いたように不意にこちらを見た。
あ、いけない。また見過ぎてしまった。さっき村田くんのときちょっと反省したのに。
早瀬先輩はわたしに向かって口パクで話しかけた。
そしてすぐに稲原先輩に向き合う。