先輩、私だけに赤く染まって
間違っていたら恥ずかしいからという確認と、先輩の口から聞きたいという欲望。
「伝わらなかった?待っててって」
至って普通にその言葉を発した。
それにはどういう意味が含まれているんだろう。
放課後、先輩が私と話す必要なんてあるんだろうか。
勿論私は、嬉しいんだけど。
「…何かありましたっけ」
臆病者だから、期待よりも不安の方が何倍も大きい。
先輩は私の発言に、えっと戸惑いを示した。
目の前に来た先輩は、まだ椅子に座ったままの私を見下ろす。
その目は気まずそうに泳いでいた。
「君がこの間寂しかったって言ったんじゃないか。やっぱりアレ、からかってたの?」