先輩、私だけに赤く染まって

この間…購買で話したときか。


確かにあの日、元気がなかった理由を先輩と一緒に帰れなかったからって言った気がする。


そんなただの後輩の発言を、覚えててくれたんだ。


「からかってなんかないです。私は先輩に本心しか言ってません。…それで、それがどうしたんですか?」


まくしたてる私に、先輩がたじろぐ。


「だから、今日は一緒に帰ろう」


だけどその言葉はしっかりと私の目を見て言われた。


待ってて、ってそういうこと!?


まさか一緒に帰るお誘いだなんて考えもしなくて、私空気を乱すことばっかり言ってたような。


「あ、ごめん。急に言われても予定とかあるよね」


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