からふる。~第23話~
ということで、黒羽くんの目の前には前園さんが座り、夕飯の時間となった。


黒羽くん以外はもちろん私と沼口さんの合作メニュー。


今日は鶏と根菜の煮物、小松菜のしめじのお浸し、ワカメと豆腐の味噌汁、ご飯といった一般的な和食。


対する前園さんは...。



「うわぁ!すごいっ!これ全部桃ちゃんが作ったの?」


「そうです。私お料理を習っていて、一応これでも和洋中、ロシア、東南アジア、南米の料理なんかも作ったりするんですよ。今日は万人受けする料理を作ってきました」


「すごいですね。ちなみにカポナータを作ったことはございますか」



緑川先輩の目がキラキラしている。


きっと世界の料理が興味深いのだろう。



「はい、もちろん。ラタトゥイユと似ているんですけど微妙に違うんですよね」


「私の母もよく作っていたんですよ。私はあれが大好きでよくリクエストしておりました」


「そうなんですか!では今度お持ちしますね。皆さんで食べられるように大鍋に作ってきます」



と、楽しそうに笑う前園さんと緑川先輩。


のほほんと食べ続ける凜くんと八代先輩。


さっさと平らげもう席を立って自室に戻ってしまった赤井先輩。


遠くから見守る沼口さん。


何かを察して黙々と一心不乱に食べる白鳥先輩と青波先輩、しゅうくん。


私を見つめて一向に食べようとしない黒羽くん。


あぁ、これは...


これは...自爆だ。


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