魔界レストランをバズらせます〜転生少女の立ち退き撤回奮闘記〜

『出て行け!裏切り者』

『店に来た客を食うつもりだったんだ』

『こんなレストラン、早く潰れてしまえ』


それは、見るに耐えない暴言の嵐。

全ては今朝の週刊誌が原因だろう。

ダム建設の話もすっぱ抜かれており、世論は完全に《レクエルド》の敵であった。

何も言えないまま震えていると、ルキが隣へ歩み寄った。力の入らない手から受話器を受け取り、低い声で尋ねる。


「説明してくれないか。一体、なぜこうなったのか」

『今朝出版された週刊誌で、従業員は魔物であるという内容の記事が一面に掲載されたんです。私は、特集を組んだグルメ雑誌のクレームでそのことを知ったんですが、ネット上では大きな騒ぎとなってしまっています』


グレンダさんの返答に眉を寄せたルキ。

電話の内容は店内に筒抜けであり、魔物達は動揺を隠しきれない様子だった。

慌ててパソコンに駆け寄ったメディさんは、記事に掲載された自分の写真を睨んでいる。


「これは、マオットと喧嘩した時のものだわ。盗撮ってことかしら?でも、こんなに至近距離で撮られたら気づくはずなのに」

「俺も、レベッカのストーカーに噛み付いた時のだね。間違いないけど、あの時パパラッチなんていなかったはずだよ」


腕を組んだヴァルトさんも納得がいかない顔だ。

リム君に至っては大鎌を振った数は数えきれないようで、どこで撮られたものなのかもわからないらしい。

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