魔界レストランをバズらせます〜転生少女の立ち退き撤回奮闘記〜
「ミレーナちゃん、大丈夫?顔色が悪いわ」
優しい声をかけられ、涙が溢れた。
肩を抱いたメディさんは驚いて目を見開く。
「ごめんなさい」
無意識に口から溢れた言葉。
魔物達は、はっと呼吸を止める。
「私が甘かったせいで、皆さんのプライベートまで晒されてしまいました。魔物であることを見せ物のようにされたり、わざわざひどいことを言いにくる人が出てくるかもしれません」
ケットを無理やり猫の姿に変えて喋らせようとしたり、ヴァルトさんの前にわざと十字架を突きつけたり、メディさんの容姿を貶したり、リム君に嫌いなやつを殺してほしいなんて頼んだり…そんなことを平気でされてしまうかもしれない。
愛のない言葉が、どれだけ相手を傷つけるかも知らずに。
「私は、こんなやり方でお店を有名にしたくはなかった…」
インターネットは、良い面ばかりじゃない。
嘘の情報が飛び交い、それを信じた人たちが攻撃をすることもある。
匿名の環境は語気が強まる傾向があり、面と向かってでは言えないようなセリフや暴言が平気で打ち込まれてしまう。
そして、一度悪だと決め付けられたものには、寄ってたかって正義という名の殺人鉄槌が振りかざされるのだ。