好きになりたくなかった。
プロローグ。






「本当、酔ってたら可愛いよなあお前」


私の頬を触りながらふわりと笑う。

どうやら私の頬を触るのが気に入ったのか、さっきからずっと優しくつまんでくるコイツ。


私もアルコールが回ってしまっているせいで、特ににも抵抗はせず、されるがままだ。


…ああ、違うかも。アルコールが回っていなくても抵抗なんてしないかもしれない。

どこか心地良くて触られるのが嫌じゃない。
ああ、おかしいな。昨日まで、いや、さっきまで悪口言い合っちゃうような関係だったのに。


優しく髪を撫でられながら、部屋に寝転ぶ私達。
10センチくらいの距離にいるコイツの顔は、アルコールのせいか少しだけとろけている。


…ちょっとだけ可愛いな、
いつもは優しくもなければ生意気だし。


「なーに見つめてんだよ」


ぐいっとコイツに抱かれ、腕枕される。
今まで知らなかった、こんなに腕が太くて力が強いなんて、、、。



そう、まずなんでそもそもこうなったかというと色々理由があるのだ。






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