好きになりたくなかった。



「はあ!?やっぱ!?」


その言葉を聞いて突然キレだす富田。
…やってしまった、めんどくさいことになったと心の中で思った。


「今の今までちょっと引きずってたのうぜー。
完全に今ので吹っ切れたわ。でもイラつく」


手の横に置かれていたお酒をぐいっと一気飲みした。
ああ、完全に怒っていらっしゃる、、。

富田は少しだけ子供っぽいところがある。
だからこうなってしまうのも、なんとなく予想は出来ていたが、まさかなるとは思わなかった。



「ちょ、富田大丈夫、、、?」


そんな言葉をかけてみても完全に彼はご立腹。
あああ、もう手遅れだ、、。


「酒たらない」


彼はそう言ったがラストオーダーはもうとっくに来てしまっていた。
でも、このまま帰すことはできないし、、。

そう思った私はふいに、

「二軒目いこっか、、?」

と、慣れない言葉を言った。


普段飲み会とかがあまり好きではない私がこんなことを言うなんて。
でも、富田を怒らせてしまったのは私だし、責任持って今日は付き合おうと思ったのだ。


んんん、先が思いやられる。

現在の時刻、9時半。




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