好きになりたくなかった。
…富田とはあくまでも友達で、それはずっと変わらないと思っていた。これから先、ずっと。
「富田、大丈夫?」
「んー、、、?」
「潰れちゃってるし、、、」
私の手を握ったまま、机に顔をつけてウトウトしている彼。この妙な雰囲気に私も少しずつ流されていく。
…よくないってことは分かってた。
「お前、終電いつ??」
そう富田に問いかけられたときにはもう、終電まで後15分とかだった。今から駅に急いで向かえば間に合うけど、コイツを置いていくことはちょっとできない。
…いっか、最悪一人でカラオケでも行っちゃえば。そう思って、家に帰ることは諦めた。