キミのこと痛いほどよく分かる
「...。」

また気づくと病院にいた。

夜のうちに、逃げ出して、そのまま行くあてもなく、朝になったのは覚えてるけど...。

また倒れていたらしい。

今度は道端で。

今度は夢遊病ではないかと疑われた。

これから家から出ることは難しくなるだろうな。

そうとだけ思った。

また迷惑かけたんだ...、

かけたらいけないのに。

また逃げ出したんだ...、

叱られちゃう、な...。

ここは前来た大きな病院ではないらしいから、あのお医者さんはいなかった。

誰も知ってる人なんていない...

向こうが何度も来て面倒な人だと思っていても。

私は、何も知らない。
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