キミのこと痛いほどよく分かる
「まだ猫ちゃん生きてるよ?
お母さん、どうにか助けてあげられないかな...?」

「可哀想だけど、助けてあげられないわ。
きっと車に轢かれてしまったんでしょうね。」

「でも...。」

道端に駆け寄る。

「触ってはだめ。
病気を持っているかもしれないわ。
役所の人に言って、退けてもらわないと。」

「退けるって...。
そんな、この子苦しんでるのに。」

「仕方がないのよ。
まだみっくんには悲しくてたまらないことでしょうけど。
どんなものでも、いずれ壊れたり、死んだりしてしまうのよ。
生きるってことは、それを受け入れなくてはいけないことなの。」

「受け入れる...?」

「そうよ。
お母さん、大人の人呼んでくるから、それまで、ここで大人しく待っててね。
車の通るところにはみ出しちゃだめよ。」

「うん。」
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