キミのこと痛いほどよく分かる


だんだんとはっきりと、

変にはっきりとしてきた。

自分に雪が降り積もって冷たい感触がする。

あ、

寒い。

さむい。

「、すけて...。」

口が何度も、そう言って動く感覚。

「助けて。」

男の子、。

やっぱり、男の子だ。

時折、嗚咽を漏らしている。

震える、小さな手が、冷たい地面を伝って私の視界に流れるように入ってきた。

その手にぽうっと灯りがともる。



え、あ...。



あった、かい。



目の前がまたぼやけていく。

でも、それは、

そっとともされた火が心をくすぶっているような、


ココロの奥そこから、心地がいい感覚だった。
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