キミのこと痛いほどよく分かる
出会い
「...」

目が覚めると、病院だった。

「...」

身体がだるい。

でも、何ともないようだった。

それからまもなく、看護師さんが見回りにきて、ひとおおり、体調をきかれたあと、

お医者さんがやってきた。

...。

皆、
知らない人。

知ってる人にも会いたくもないけど、

退院するまで、どうせまた誰も来ない。

こういうこと、一度ってわけじゃないから。

精神的にも、肉体的にも疲弊しきって、病院に何度か来たことはある。

でも、こんなに大きな病院は、
はじめてかな。

きっと、救急搬送されたんだろうな。

お医者さんによると、駅で倒れてたんだとか。

なんだかいろんなことを言っていたけど、結局は疲れているのが原因なんだそうだ。

なんだ、疲れてたのか。

いつもそう言われるよなぁ…。

窓の外をみると、かすかに雪が積もっているようだった。

白黒はっきりしないいろ。
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